獣医学部新設「総理の意向」文書 事実関係を確認 文科相

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獣医学部新設「総理の意向」文書 事実関係を確認 文科相

5月17日 16時49分

衆議院文部科学委員会で、愛媛県今治市での大学の獣医学部の新設をめぐって、民進党の議員が、「文部科学省が、内閣府から『総理の意向だと聞いている』と伝えられたなどとする文書を作成しているのではないか」と指摘しました。松野文部科学大臣は、事実関係を確認する考えを示すとともに、安倍総理大臣から指示は受けていないと強調しました。
国家戦略特区に指定された愛媛県今治市に、学校法人「加計学園」の運営する大学が新設する方針の獣医学部をめぐっては、文部科学省の審議会が、実際に設置を認めるかどうか、先月から審査を行っています。

これに関連して、17日の衆議院文部科学委員会で、民進党の玉木幹事長代理は、「文部科学省が、内閣府から『総理の意向だと聞いている』などと言われたことを記した文書を作成したと報じられている。
私も手元に持っており、かなりの事が書かれているが、こうした文書が現に存在するのか」とただしました。

これに対し、松野文部科学大臣は、「国家戦略特区への対応に向けた文書が作成された可能性はある。具体的にどういった趣旨で、どういった経緯のものか、確認したい」と述べ、事実関係を確認する考えを示しました。

また松野大臣は、「官邸や総理から直接の指示があったのかと言えば、指示は全くなく、内閣府を通して、官邸等の意向があると私のほうに報告があったこともない」と述べました。
農相「聞いたこと一切ない」
愛媛県今治市での大学の獣医学部の新設をめぐり、山本農林水産大臣は17日の衆議院の農林水産委員会で、民進党の議員が、安倍総理大臣の意向を聞いていたのかと質問したのに対して、「総理から聞いたことは一切ない」と述べ、否定しました。

農林水産委員会で、民進党の議員が、獣医師の国家試験を行っている農林水産省の山本大臣に対して、「今治の特区で獣医学部を作るという総理の意向を聞いていたのか」と質問しました。

これに対して山本大臣は「去年の8月下旬に加計学園の方が来た折に、大学設置の話題になった。陳情ではなく、単なるあいさつということで来た。加計学園から総理の意向とか官邸の意向を聞いていない」と述べました。

また山本大臣は「いまだに総理から聞いたことは一切ない。官邸スタッフから、この件に関する連絡や情報の提供も一切ない」と述べました。

官房長官「いちいち政府として答えることではない」
菅官房長官は午前の記者会見で、「内閣府に確認したところ、関係省庁と進め方などについて事務的な議論をしていることは事実だが、その中で『官邸の最高レベルが言っている』だとか、『総理のご意向だと聞いている』としたことを内閣府側が言ったことは全くなく、安倍総理大臣からも一切指示はないということだ」と述べました。

そのうえで菅官房長官は、「文書がどういう文書か、作成日時や作成部局が明確になっていない。通常、役所の文章はそういうものではない。誰が書いたかわからない、意味不明なものについて、いちいち政府として答えるようなことではない」と述べました。

民進 蓮舫代表「そんたくの事実 明らかに」
民進党の蓮舫代表は、党の参議院議員総会で、「『知らぬは総理ばかりなり』。安倍総理大臣は、『自分は関与していない』とずっと言ってきたが、周りがそんたくをしている事実が、明らかになった。安倍総理大臣や夫人のお友達だけに特別の配慮がなされていたという疑惑は深まった。衆参一体となって、この問題を明らかにしていく」と述べました。

民進党の笠国会対策委員長代理は記者会見で、「文部科学省は、内部文書を国会に提出し、どういう経緯があったのかを明らかにする責任がある。安倍総理大臣の今までの説明と矛盾することになり、しっかり追及をしていきたい。状況によっては、衆議院予算委員会の集中審議を求めていくことも検討したい」と述べました。

今治市長「予期せぬこと」
愛媛県今治市での大学の獣医学部の新設をめぐって、民進党の議員が、「文部科学省が、内閣府から、『総理の意向だと聞いている』と伝えられたなどとする文書を作成しているのではないか」と指摘したことに関連して、今治市の菅良二市長は、記者団に対し、「予期せぬことで、関知していないし、コメントのしようがない。地元としては、来年4月の開学に向けて全力で取り組んでいくことしか考えていない」と述べました。

そのうえで、「市としては、静かに推移を見守りながら、学生マンションの整備などを市民の理解を得て進め、開学に向けて全力投球したい」と述べました。

また、文部科学省の審議会が、獣医学部について、定員や教員の態勢などに課題があるとする報告を取りまとめたことについて、菅市長は、「留学生にも対応できるよう、国際水準を満たし、四国の人たちにも来てもらえるような定員や体制で学部を作ってほしいとお願いしてきた」と述べました。

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