モンサント模擬法廷---世界の証言者からのメッセージ

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モンサント模擬法廷---世界の証言者からのメッセージ

モンサント模擬法廷---世界の証言者からのメッセージ
- 2016-10-20 グリーンピースジャパン



みなさんこんにちは、食と農業担当の関根です。
「モンサント」という大企業を、いま日本でどれくらいの方がご存知でしょうか?
実は海外では、世界の”食”をコントロールするこの大企業に反発する動きが活発化しています。



その動きはもちろん、日本でも。
今日は、前回のブログでおしらせしたモンサント社に対する模擬裁判の報告と、日本での「反モンサント大行進」の模様、そしてグリーンピースも参加した「土と平和の祭典」の様子をお知らせします。

巨大多国籍企業モンサントとは?
モンサントは、世界の遺伝子組み換え食品の90%を生産する巨大多国籍企業。遺伝子組み換え種子以外にも、枯れ葉剤や成長ホルモンなど、食にまつわるさまざまなものを生産していて、世界の食をコントロールする企業の代表選手です。
先週末の10月14?16日、モンサントを提訴した模擬法廷がオランダのハーグで開かれました。農家や科学者、そして食や環境の安全のために活動する大勢の市民が世界中から集まりました。(詳しくはこちらのブログもご覧ください)
模擬法廷って?

模擬法廷は、法的拘束力がある本物の裁判ではないのですが、著名な裁判官や弁護士が集まり、モンサントの非人道的なアグリビジネスによって苦しんでいる人々が証言します。そして、地域社会で結束して、モンサントの環境と健康に対する罪を追求します。

この模擬法廷のねらいは、巨大なアグロビジネス企業モンサントの、人間と環境に対する非道な行為に対して責任を追及することです。
さらに模擬法廷に参加した人々は、たくさんの学びや解決策へのヒント、変革への希望を得て各国へ持ち帰り、食料システムを改善することにつなげていくはずです。

模擬裁判では、世界的に高名な裁判官が30人の証人の意見を聞き、専門家はモンサントが引き起こした環境へのダメージを報告しました。
ある証人は、モンサントのもたらしたモノカルチャー栽培によって、種子の多様性が大きく損なわれたと証言し、種子に特許を与えることは、新たな植民地主義に等しいと批判しました。
これらの証言は今後、国際刑事法にもとづいて自然環境の破壊を訴える基盤を強化していくことでしょう。また、世界中の人々が、実際に企業を訴える際にも使えるよう、十分に立証された法的な書類も出されました。

「模擬法廷は、法的拘束力はないけれど、法律的な論理に則って行われています。証言者たちは本物の裁判と同じように本物の裁判官たちに対して証言をしました。この模擬法廷で学んだことは、実際の各地の訴訟でも使えるはずです。」と模擬法廷の運営委員会メンバーのアルノー・アポテケールは述べています。
「この裁判で、私たちの身に起きていることを伝えたい」

証人の一人、メキシコから参加したマヤ民族の農家フェリシアーノ・ウカム・プートは、除草剤グリホサート(商品名「ラウンドアップ」で知られる)を始めとする化学物質が子どもの病気と関係があるとする主張を裏付ける証拠を提出しました。

彼は「グリホサート及びその他の農薬を導入する前は、このような病気に苦しむ人たちはいませんでした...多くの人々が私たちのように苦しんでいるんです。この裁判で、私たちの身になにが起こったか世界中の人たちにも伝えられると思う」と述べました。
今後裁判官らは、これらの主張を評価し、提出されたすべて証拠を精査、12月にその結果を発表します。



「世界の食をまかなうために、こんなに化学物質を使う必要はあるのでしょうか?」
模擬法廷で投げかけられたこの質問に、著名な科学者、ハンス・ヘレンはこう答えました。
「食品生産の中での廃棄物を減らすだけで、1000万人を養うことができます。単位面積あたり『何カロリー収穫できるか』ではなく、単位面積あたり『どれだけの人々を健康に養えるか』がより重要なのです」と。


模擬法廷のサイドイベントでは、市民議会(People's Assembly)も催されました。市民議会では、世界から集った人々が、工業的農業が環境に与える影響や、その解決策を議論しました。

ここでも最大の課題の一つは、問題をどうやってたくさんの人に知らせるか、でした。この市民議会では、コミュニティが一堂に会して、こうした共有の問題に対する持続可能な解決策を考える場にもなりました。

「みんなが自分たちの問題として向き合わなければなりません。食が安全でなくなってしまったら、誰もその危害から逃れらないのですから。」
??バングラデシュから参加したファリダ・アクテルUBINIG(オルタナティブな開発のための政策研究所)の言葉より


以上は、グリーンピース・インターナショナルのブログより翻訳してご紹介しました。
日本でも、反モンサント大行進!
さて、模擬裁判の最終日、世界食料デーの16日には東京でも、モンサント社に対する「反モンサント大行進」が行われ、グリーンピースもボランティアの皆さんと一緒に参加しました。
日比谷公園をスタートして、東京・銀座の街を「No!モンサント」、「No! GMO(遺伝子組み換え)」を唱えながら、思い思いのプラカードをもって300人あまりが銀座の街を歩きました。モンサント社の日本法人のある京橋交差点のビルでは、「遺伝子組み換えや農薬などを押し付ける企業に、自分たちの食や農を支配されたくない!」と訴えかけました。


オーガニックな食と暮らしと平和のために
同じ週末、東京・日比谷公園では、「土と平和の祭典」が開催され、グリーンピースも出展しました。
10年めの今年は3日間連続の開催。晴天のもと秋の実りを祝いつつ、TPPへの危機感も背景に、例年にも増して、“私たちの食を取り戻そう”、という思いのこもった祭典となりました。
「遺伝子組み換えや化学農薬に依存しない、巨大企業の利益ではなく、人の暮らしに根ざしたオーガニックな食と農を。それはすべての人々の平和な暮らしにつながる」、というメッセージが印象的でした。
グリーンピースは、日本で使用が増えているネオニコチノイド系農薬とミツバチの問題を訴えるバーチャルビデオ体験やパネル展示をし、子どもから大人までたくさんの方にブースを訪れていただきました。




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