新市場と選手村工事受注の大手建設に都職員OB大量天下り

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新市場と選手村工事受注の大手建設に都職員OB大量天下り

新市場と選手村工事受注の大手建設に都職員OB大量天下り

「床が抜ける」「マグロをさばくスペースがない」など欠陥続出の豊洲新市場と、広大な都有地を大安売りし222億円も大損する中央区晴海の五輪選手村――。

 日刊ゲンダイは小池新知事の誕生前後に東京都のデタラメ行政を追及してきたが、2つの大型事業には歪んだ共通項がある。受注業者に大量の都職員OBが天下りしていることだ。

 今年11月7日の豊洲新市場の開場を目指し、都は11年8月から14年2月にかけて土壌汚染対策3件、新市場建設4件の大型工事を発注した。計7件の当初契約額は1645億5589万円で、実際はさらに膨れ上がる見通しだ。

 巨額の公共事業を受注した7つの建設共同企業体(JV)には計27社が参加。都総務局の「都庁版人材バンク」によると、10年8月から15年7月までの5年間に、都の課長・部長級職員14人がJVに加わった大手ゼネコンなど10社に直接、再就職していた。

この間に工事の発・受注が繰り返されたのだから、ロコツだ。都を退職して1日も空けずに再就職先のイスを用意されるケースも目につき、与えられた役職も「参事役」「顧問」「参与」など“いかにも”な肩書ばかりだ。

「人材バンクの公表分は氷山の一角で、局長級以上の幹部職員になると、いったん都の外郭団体の理事長などに収まった後、ゼネコンなど民間企業に迎えられるのが通例です。その人数も含めれば、公表分の2、3倍になるのは間違いありません」(都庁OB)

■談合を疑わせる異常な高落札率

 晴海の選手村も同じ構図だ。都知事不在だった7月29日に建設事業者を選定。晴海の都有地13・4ヘクタールを、1平方メートルあたり9万円台という破格の安値で大手ディベロッパーなど11社からなる企業グループに売り飛ばし、都民の共有財産に222億円もの巨額の穴をあけようとしている。

小池新知事はこのズブズブの癒着関係を断ち切れるのか。

こんなデタラメ契約にいたった裏側で、グループ参加企業のうち三井不動産レジデンシャルなど4社に5人の都OBが直接迎えられていた。

 問題は2つの事業とも落札率が異常なまでに高いことだ。豊洲の新市場建設4件の落札率は予定価格の99.79%〜99.99%。選手村にいたっては応札は前出の企業グループのみ。予定最低価格通り100%の値段で広大な都有地を購入する。

 発注側の都の担当者と、天下りOBとの間で入札情報をやりとりし、談合が行われているのではないか――。そう疑われても仕方のないほどの異常な落札結果だ。はたして小池新知事はこのズブズブの癒着関係を断ち切れるのか。



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