大荒れのNHK会長人事 「ポスト籾井」は政権寄り?

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大荒れのNHK会長人事 「ポスト籾井」は政権寄り?

「これで大荒れになってきた」

 NHKの次期会長人事をめぐる関係者の話だ。NHKの経営委員会は11月22日、籾井勝人会長らが提案していた受信料の値下げを見送る方針を決めたからだ。

 籾井会長は、「今後、受信料収入などが余る」と試算。「視聴者に還元すべきだ」と、来年秋から月額50円程度の値下げを提案し、経営委の出方が注目されていた。

 これまでも籾井会長と経営委とは「溝」があるとされてきた。籾井会長は就任会見で慰安婦問題に意見するなどして、3度、経営委から注意を受けている。一方、今回の値下げ案は、籾井会長が記者会見で慎重姿勢の経営委の意向を無視するかたちでぶち上げたものだという。

 ある経営委のメンバーは不快感をあらわにした。

「2020年には東京五輪、渋谷の放送センターの建て替えなど、資金が必要なことが多々ある。余ったから返したらどうだと急に言われてもね……。値下げを会長続投の手土産にしたいんじゃないかと思うでしょう、この時期だったら……」



籾井会長の意を受けた幹部が経営委に「ご説明」にやってきたものの、これまでの経緯と来年1月に任期が切れる会長人事が絡まって、理解は得られなかった模様だ。前出のNHKの関係者は言う。

「値下げ案却下で籾井会長は激怒したそうです。これで籾井再選はなくなったと言われています」

 会長人事は、12月に予定されている2度の経営委で候補者が固まる見通し。今、候補者として名前が挙がっているのは堂元光副会長だ。最近は外部登用が続いたが、決まれば9年ぶりの内部昇格となる。

 堂元氏は政治部出身。04年のNHK不祥事で海老沢勝二会長(当時)の対応が問題視されたとき、海老沢氏を擁護するため奔走した幹部の一人とされる。

「政治部らしく裏工作が好きで、官邸から会長に推してもらおうと、政治部で安倍首相と親しい記者が暗躍してプッシュしているとNHKではうわさされています。しかし政治部出身の会長になればますます官邸の御用聞きのような報道姿勢になる。まだ籾井会長のほうがマシだという声もあり、米国大統領選じゃないが、史上最悪の会長選という感じです」(前出のNHK関係者)

※週刊朝日 2016年12月9日号



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