第二の都市モスル 奪還作戦開始 − 100万人の避難民が窮地に

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第二の都市モスル 奪還作戦開始 − 100万人の避難民が窮地に

イラク政府は2016年10月、武装組織ISが支配するイラク第二の都市、モスルの奪還に向けた軍事作戦を開始したと宣言しました。
この軍事作戦により、最悪の場合約100万人の市民が避難を余儀なくされ、そのうち70万人がシェルターや食糧、水などの緊急支援が必要となるとみられており、イラクは重大な局面に突入しています。
「軍事作戦の展開において、市民を守ることは最も重要です」
フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官
フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は、宣言された同日にイラク入りしてアバディ首相と会談。記者会見で、「軍事作戦の展開において、市民を守ることは最も重要です。イラク政府は、この作戦の戦略に市民の保護を盛り込むことを約束しました」と強調しました。


イラク国内避難民へのUNHCRの支援活動


UNHCRがこの日開設したばかりの避難民キャンプに到着した一家。この日だけで約3,000人の避難民が到着した。(ハサンシャム国内避難民キャンプ)
UNHCRはこうした事態を想定し、早くから国内避難民キャンプを設置・整備するなど対応を進めてきました。モスル周辺の4つの県では、11のキャンプが完成または建設中で、すでにある5つのキャンプでも避難民の受け入れが可能となっています。テント38,000張、毛布やマット、水などの支援物資キット10万セットを調達しており、10月現在、避難民キャンプやシェルターなどで約6万人を受け入れる体制が整えられています。今後、合計で約12万人を受け入れるために準備を進めており、政府による避難民キャンプでは15万人を受け入れる計画です。

モスルでの支援に必要な資金 約196億円

UNHCRは、モスルでの大規模な軍事作戦の開始を早くから想定し、支援の必要性を国際社会に訴えてきました。戦闘が始まり、難民の苦しい状況が報道されてから支援の準備をしても手遅れだからです。しかし、これまでにモスルでの支援に必要な資金(約196億円:196百万米ドル)のうち約57%しか集まっていません(※2016年11月14日現在)。イラクではすでに、予定されていた支援の半数を中止するなど深刻な影響が出ています。このままでは、今後さらに60ものプログラムを中止せざるを得ない状況に追い込まれています。

イラクの人々は、1975年からの長きにわたって断続的に紛争に苦しめられてきました。こうしている今も爆撃が続いており、子どもや女性を含む、多くの人々の命が危険にさらされています。
どうぞ今すぐ、皆さまの温かいご支援を心よりお願いいたします。

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2015年、国連UNHCR協会にお寄せいただいたご寄付は、総額25億4492万5,136円に達しました。お預かりした寄付金の99.8%を占めるUNHCR寄付金のうち、80%にあたる20億4,577万494円をUNHCR本部に送金させていただいています。

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医薬品52人分

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寒さや暑さ、風雨から家族を守る
避難生活用テント2張
※1ドル=102円換算

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